黄りんは、化学的な性質により「第三類危険物」、つまり自然発火性物質および禁水性物質に分類されています。この分類に属する物質は、空気中にさらされるだけで自然に発火したり、水に触れることで発火や可燃性ガスの発生といった危険な反応を引き起こすことがあります。
ただし黄りんは三類に分類されていますが、実際には水と接触しても熱を発したり、発火するような反応を起こすことはありません。そのため、黄りんは一般的に空気との接触を防ぐ目的で、水中に浸して保管されます。
黄りんは淡い黄色をしたろう状の物質で、にんにくのような独特の臭いを持っています。有機溶剤にはよく溶け、発火点はわずか34度と低いため、空気中にさらされると自然に発火するおそれがあります。実際に発火した際には、青白く光る燐光を放つのが特徴で、その発火性は保管や取り扱いにおいて特に注意が必要な要素です。
また黄りんは毒性が非常に強く、皮膚や目に付着すると深刻なやけどや組織の損傷を引き起こす危険性があります。そのため、作業時には保護手袋、目の保護具、防じんマスクなどを着用し、直接の接触を確実に避けることが推奨されます。
その他用途として、黄りんは熱法りん酸の製造など、化学肥料の原料として利用されることもあります。
空気中で自然に発火する性質があるため、黄りんは常に水の中に沈めた状態で保管しなければなりません。実務上は、黄りんを水に漬けたままドラム缶などに密閉した状態で保管するのが一般的です。
黄りんの指定数量は20kgと定められており、この数量を超えない範囲であれば、営業倉庫などでも保管が可能です。ただし実際の運用にあたっては、地域ごとに異なる規制や基準が設けられていることがあるため、保管を行う前に必ず地元自治体や消防局など関係機関への確認を行うことが必要です。
万一、20kgを超える量の黄りんを保管する場合には、消防法に基づいた危険物倉庫の設置が求められます。そのためには、建物の構造や設備、周囲との保安距離、敷地内の空地の確保といった厳格な基準を満たす倉庫を設計し、法令に適合した形で建築する必要があります。
黄りんは水と接触させて保管するのが基本とされているため、水との接触が厳禁とされる禁水性の第三類危険物とは、物理的に距離を取って保管しなければなりません。これを怠ると、万が一の漏洩や混触によって激しい化学反応が起きるリスクがあるため注意が必要です。
保管する環境に関しては、冷暗所での保管が推奨されます。倉庫で保管する場合は、季節や時間帯によって外気温の変化が倉庫内に影響を与えないよう、倉庫の屋根や外壁に十分な断熱処理を施すことが重要です。特に夏場などは庫内の温度が急上昇する場合もあり、倉庫内では適切な温度管理が求められます。
また、安全性をさらに高めるために、黄りんに適した消火設備の設置も必要です。具体的には、泡消火設備、水蒸気による消火設備、水噴霧式の消火設備などが有効とされています。一方で、ハロゲン化物を使用した消火設備は、黄りんと激しく反応する危険性があるため、消火設備としては適していません。
参考サイト:札幌市|【第36条の2(少量危険物の貯蔵等のすべてに共通する技術基準等)】[※PDF](https://www.city.sapporo.jp/shobo/yobo/jorei/documents/055-36jyo_2.pdf)
参考サイト:厚生労働省|職場のあんぜんサイト(https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen/gmsds/0571.html)
参考サイト:BSI生物化学研究所|熱法りん酸と湿法りん酸 [※PDF](https://bsikagaku.jp/f-knowledge/knowledge75.pdf)
参考サイト:初田防災設備株式会社|危険物施設に必要な消防設備早見表(https://fire.co.jp/document/danger/)
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