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危険物倉庫の温度管理は重要?

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危険物を扱う倉庫を建設する場合、温度管理も考える必要があるのでしょうか?温度管理の重要性と主な方式など見ていきましょう。

危険物倉庫における温度管理の必要性

火災などの安全性の確保

危険物倉庫の温度管理で最も重要なのが、火災や爆発のリスクを抑制することです。例えば夏の猛暑によって倉庫内が高温になると、液体危険物の蒸気圧が上昇。可燃性ガスが庫内に滞留することにより、熱源との接触で発火や爆発が発生するリスクがあります。

こうした事態を防ぐ方法として、空調設備の設置により温度変動を最小限に抑えること、異常時には自動的に警報を発し運転を制御できる監視体制を構築しておくこと、などの方法が挙げられます。

危険物の品質維持

危険物の中には、一定以上の低温で結晶化して使用できなくなってしまうものや、逆に温度が上昇すると自己反応が進行して発火の危険性が高まるものがあります。品質維持のため、温度の低下や上昇を抑え適正な温度を保つことが重要となります。

特に長期保管においては、微小な温度変動が蓄積して影響を与える可能性もあるので、日々の倉庫内の温度確認や適性温度から逸れた場合の対応なども考えておくとよいでしょう。

倉庫内の温度を確認する方法

温度管理の方法としては、IoT対応の温度センサーを倉庫内の各所に配置し、BMS(ビル管理システム)と連携させて、わずかな温度変化にも検知できるようにする方法が挙げられます。異常があればスマートフォンやPCに即時通知が届くので、遠隔からでも状況を把握し、素早い初期対応が可能となるでしょう。

温度管理の方式

定温保管

定温保管とは、あらかじめ決めた一定の温度帯を保ちながら倉庫内を管理する方法です。一般的には空調設備としっかりした断熱材を組み合わせて、±1℃以内の温度変動に抑え、危険物の化学反応や性質の変化を防ぐ保管方法です。特に発火点や融点がはっきりしている引火性液体(第四類)や自己反応性物質(第五類)、有機過酸化物などの保管に向いています。

冷却保管

倉庫内を危険物の自己反応が始まる温度よりも低く保つ方法です。自然発火性物質(第三類)や低融点の化合物は、粉体や液体が勝手に発火したり変質したりしやすいため、冷水や専用の冷却ユニットなどを用いて、温度が上がらないよう冷却し続けます。

冷却回路が故障した場合に備え、別の回路に自動で切り替わる仕組みを入れることで、さらに安全性を高めることもできるでしょう。

加温保管

加温保管は低温で固まりやすい物質を扱うときに用いられます。第一類や第二類の可燃性固体は低温下で結晶化や粘度の上昇が起こりやすいので、庫内に電気ヒーターや蒸気管を設置して温度の低下を防ぎます。温度ムラを防ぐために複数のセンサーを使い、局所的に熱くなりすぎないよう自動で温度調整を行うことも重要です。

設備設計のポイント

空調システムを二系統設置

コンプレッサーや冷却水ポンプを並列構成するなど、空調回路を二系統用意することで、どちらかが止まってももう一方で温度制御が続けられるようになります。また、非常用電源に接続して停電時でも一定時間動作できるようにすることも大切です。

倉庫の断熱性

建物全体の断熱性能も重要です。外壁や屋根、出入口には高性能断熱材を入れ、断熱塗装や遮熱シートで日射をはね返すなどの対策を行うとよいでしょう。特に天井には厚さ100mm以上の断熱パネルを使い、外気の影響を遮断することで空調負荷を下げ、エネルギー消費を抑えることもできます。

その他危険物の保管で重要となる要素

倉庫の換気性

可燃性ガスや蒸気を速やかに排出しつつ外気が入りすぎないよう、局所排気と全体換気を組み合わせて庫内を0〜−10Paの負圧に保ちましょう。

結露対策

湿度管理も温度と同じくらい重要です。結露が発生すると金属機器や化学物質の腐食・劣化などのリスクがあるため、冷却エリアでは相対湿度を60%以下に保つなどの方法で結露を防ぎましょう。

デシカント式除湿機やヒートパイプ式ドライヤーを組み合わせる、結露しやすい部分には断熱材やヒーターラインを施工して局所的な温度差をなくすなどの対策を行うとよいでしょう。

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