危険物を保管するための倉庫には、大きく分けて「大規模危険物倉庫」と「少量危険物倉庫」の2つの種類があります。この区分は、倉庫に保管する危険物の量によって決まります。
「大規模危険物倉庫」は、ある程度以上の量の危険な物質を保管するために作られた倉庫です。ここでは、たとえば化学薬品や引火しやすい液体、燃えやすいガス、有毒な物質などが扱われます。これらを安全に保管するために、火事や地震に強い構造になっていたり、専用の換気システムが備えられていたりと、高い安全対策が求められるのです。また、危険物を保管する大規模な施設を「危険物貯蔵所」とも呼びます。
「少量危険物倉庫」は、保管する危険物の量が一定の基準以下のときに使われる施設です。こちらは、保管する量が少ないため、設備や安全対策などのルールが緩和されています。安全性を保ちつつ建設や運営にかかる費用を抑えられるため、状況に応じた柔軟な運用がしやすいという特徴があります。
ユニット型少量危険物保管庫とは、少量の危険物や燃料を安全に保管できるように設計された、小型でコンパクトな保管庫のことです。特に、製造現場ではない事業所や事務所、一般の施設などで使われることを想定して作られており、限られたスペースでも効率よく設置・運用できるのが特徴です。
また、用途に応じてさまざまなオプションを追加することも可能。たとえば、空気の入れ替えを行うためのベンチレーター(換気装置)や、電気を安全に分配するための分電盤などを取り付けることができます。
コンテナ型倉庫は、輸送用コンテナを活用して作られた危険物専用の倉庫のことです。耐久性の観点から、主に新品のコンテナが使用されます。
特徴的なのが設置のしやすさです。コンテナはもともとクレーンでの積み下ろしに対応しているため、倉庫の搬入や設置にかかる手間やコストを抑えられるでしょう。さらに、開口部が広く設計されているため、フォークリフトなどの機械を使って危険物を出し入れする作業もスムーズに行える点もメリットです。
テント倉庫とは、軽い金属製の骨組みに、丈夫な布やプラスチックなどのカバーをかけて作る簡易的な倉庫のこと。建設にかかるコストが低く、工事期間も短くて済む点がメリットです。たとえば、急に保管場所が必要になったときや、特定の期間だけ倉庫を使いたい場合などに、スピーディーに対応することができます。また、必要に応じて移動や撤去もしやすい点も特徴でしょう。
ただし、テント倉庫はあくまで簡易的な構造なので、保管する物の種類や量によっては使用できない場合がある点に注意が必要です。
大規模危険物倉庫とは、非常に多くの危険物を安全に保管するために設計された専用倉庫のことです。具体的には、消防法で定められている「指定数量」の10倍以上の量の危険物を保管する場合に使われます。「指定数量」とは、法律で決められている、危険物を安全に扱える上限の基準のことです。
例として、システム建築と呼ばれる方法で建てられた「ダイワスペース」の危険物屋内貯蔵所などが挙げられます。システム建築とは、あらかじめ工場で加工された部材を現場で組み立てて作る建築方法を用いており、品質が安定し、工期も短く、安全性の高い施設を効率よく作れるのが特徴です。
危険物貯蔵所とは、火災や爆発などの事故を防ぎながら、大量の危険物を安全に保管するために設計された特別な施設のことです。
この危険物貯蔵所にはいくつかの種類があります。たとえば、建物の中に危険物を保管する「屋内貯蔵所」、外のスペースで保管する「屋外貯蔵所」、タンクを使って保管する「屋内タンク貯蔵所」や「屋外タンク貯蔵所」、さらには地面の下にタンクを設ける「地下タンク貯蔵所」などがあります。
また、道路を走る「タンクローリー」などの移動式のタンクも、貯蔵施設の一部として扱われているのです。
それぞれの施設は、事故を防ぐために決められた特定の安全基準にしたがって建てられ、日々運用されています。
千葉のシステム建築業者3選
危険物倉庫向け
EEE倉庫(万葉建設)
ごみ・廃棄物処理場向け
鵜沢建設
加工所、作業所兼倉庫向け
O企画
※Googleで「千葉 システム建築」と検索した結果から、システム建築を提供しており施工事例を掲載している、千葉県にある建築会社を14社をピックアップ。その中から下記の条件で3社を選出。(調査日:2024年3月29日)
万葉建設:自由設計で危険物倉庫の建築に必要な、設備も搭載可能なEEEシステム建築を提案することをHPに明記
鵜沢建設:国際標準規格ISO9001、環境ISO14001を取得しリサイクルセンターの実績が最も多い
O企画:公式HPで加工所、作業所兼倉庫の実績が最も多い